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街の不動産屋さん
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連載インタビュー 街の不動産屋さん

第72回 株式会社 藤建企画 代表 久野 博 様

ホームページ http://www.atatakaisumai.com
所在地 京王線「つつじヶ丘駅」北口徒歩4分 地図
取材日 2012年2月14日


ゆったり落ち着けるテーブルセット。
「以前契約した方のお悩みを聞いたり、
何でも相談屋になりたいですね」

インターネットの創世記からずっと駆使してこられた久野社長。
「これからはホームページだけでは難しいだろう」とおっしゃいます。
では今後のネット不動産業はどうすればいいのか、ひとつの形を示してくださいました。
連載の最終回は、ソーシャルメディアを活かした手法について考えます。

ホームページ以外で工夫している点 ~ソーシャルメディアからホームページに呼び込む~


先程も話題にのぼりましたが、Facebookもされているんですか?
はい。FacebookもTwitterもやっています。ブログはもうかなり昔から。とにかく新しいものが好きなので、まだあまり知られてないころから何でも始めるんです。
これからの時代は、ホームページだけでは難しいと思うんですね。FacebookやTwitter、そういったソーシャルメディアを使ってお客様を呼び込み、自社のホームページに誘導する。その仕組みが必要だと思っています。
お客様もソーシャルメディアを使う方が多いのですか?
そうですね。私のブログもFacebookも、題材は日常雑記ではなく不動産の話です。
たとえば「初めて不動産を買う人の基礎知識」や「住宅ローンについて」など。そういうものを読んでくれた方が、お客様になってくださるんだと思います。だから、お客様の8割は30代です。ソーシャルメディアを使い慣れた世代ですね。
それに初めて不動産を買う方が多いですね。Facebookで話しかけてくるのも若い方がほとんどで、先日も「住宅ローンの相談にのってもらえますか?」って。「いつでもいいですよ」って返信しました。
ブログ書いて、TwitterにFacebookに、けっこう時間がかかるんですが。
ITにご堪能ですね。メールも躊躇なく…?
いやあ、私はメール世代ではありませんから。基本を学ぶために、リンクアンドリングのメールセミナーにも参加しました。
そりゃ、電話の方が話は早いし、ダメならすぐ次に行ける。絶対に楽なんですが、お客様がメールの方がいいとおっしゃるので。
メールでのコミュニケーションで大切なのは、返信の早さだと思っています。事務所にいるときはすぐに返せますが、メールって夜が多いでしょう。ずっとなんとかしたいと思っていて、iPhonが出た時は「これで夜でも返信できる」とすぐに買いました。でも画面が小さくて…。
次にiPadがでたときは、夜中から並んで買ったんですよ。画面が大きく見やすいので、もうこれは手放せません。
それにiPadは接客にも使えますよ。現地までお送りするとき、ルート検索の画面にしてお客様にお渡ししておくんです。どこを走っているか、近くに学校や病院があるかなど、一目瞭然ですから。現地で最寄りのスーパーを探したり、うちの猫の写真を見せて笑ったり。いやあ、超強力な武器ですよ。
iPadの威力は大きいですね。でも、夜中にも返信されるんですか?
さすがに寝てからはしません。でも、帰宅して風呂から出たとき、寝る前、朝起きてすぐにはメールチェックをします。
会員登録のメールには、パスワードと「今から寝るので、明日事務所に行ったらすぐに情報送ります」などの一文を添えて返信します。休みの日にもメールは来ますから「今日は休業日なので、明日、情報送ります」とか。「こんなに早く対応してくれた」って感激してくださいますよ。
会員登録したらパスワードを送られるんですよね?
未公開物件を見るためのパスワードです。それさえあれば、ご自身で探せますからね。
うちは会員登録していただくと、ステップメールという不動産購入の手引きみたいなものを週1回、6週間送ることにしています。その間にお客様の心をつかみたいんですよ。たぶん3社か4社、あちこちの不動産業者を見ていると思うんですが、この期間にうちだけに絞ってもらいたいと。
私は登録から3カ月以内に何かアクションがある方、メールに返信が来るとか実際に見に行くとか、そういう方20名位を常に頭に入れています。ご希望の物件やお探しの地域を覚えていて、新規物件が出たらマッチング前に、個別に情報を送ります。
それ以外の方には、毎週金曜日にメルマガを送り、マッチングがあえばマッチングメールを一斉に送り、という対応ですね。

これからのネットと不動産について ~自分をどうブランディングするのか~


「絞る」という言葉がたくさん出てきますね。
そうですね。これからは差別化というか、何か特色が必要だと思うんです。あれもこれもではダメですよね。中古マンション専門など、何かひとつ得意分野を活かすような形でやって行かないと。
ですからうちは、物件は新築一戸建てと売地だけに、集客はネットだけに絞っています。何かに絞って、そこに力を集中させる方がいいと思います。
今はどんな小さなところでもホームページを持っていますから、その中で光るものがないと見てもらえません。だから仲介手数料を無料や割引にし、ブログやソーシャルメディアを使って私という人間を出しているんです。書くのは不動産のことがほとんどで「どんな小さなことでも相談にのるよ」という姿勢を貫いています。
自己ブランディングですか?
その通りです。不動産は特殊な世界だと思われています。皆さん、よくわからなくて不安だから、安心な大手に行くんです。それでも大手に行かない人を、いかにして引っ張るか。それは自分というブランドの力以外にはないでしょう。顔を出し文章を載せ、私という人間を知ってもらうことが大切だと思います。
でもそれができると「大手でこういう物件が出てたけど、藤建さんで扱えないの?」ってURLまで貼ってメールをくださるお客様がいるんです。ありがたいですよ。

これから目指すビジョン ~インターネットの力は偉大だ! だからこそ、それを活かして~


ソーシャルメディアやインターネットの力ってすごいですね。


天神通りには「ゲゲゲの鬼太郎」モニュメントが
点在。水木しげる氏は調布市の名誉市民だ

仕事でいつも使っていますが、去年の震災のとき、改めてその力を思い知りました。
震災後、テレビで報道される大きな避難所には救援物資が山積みになっていても、小さな奥深い避難所はまだ食物にも困窮していて、それを届ける人も手段もないころです。そういった小さなところに物資を運ぼうと思って、トップページを変えて協力をお願いしました。そしたら、本当にたくさんの方がいろいろなものを持ってきてくださって。名前も書かず、ただぽんとお金を置いていってくださった方も多くて。「こんなに多くの方が見てくださっているんだ」と実感しました。
2011年エピソード賞に、その体験談も書かれているんですよね。
はい。インターネットの力の大きさを見せつけられた思いで、書きました。
震災の救援物資についても個別にはお礼できないので、ホームページ上で実際に行ってきたときの写真など報告と合わせて、お礼を掲載したんです。
その後「復興の狼煙(のろし)」ポスタープロジェクトのことをテレビで知り、すぐにポスターを取り寄せました。今は間取り図があるこの壁にずらっと、そのポスターを貼ってホームページに「見に来てください」と告知したんです。たくさんの方が見えました。「故郷なんだ」「親戚がいる」東北に縁はなくても涙する方も。いやあ、インターネットは偉大です。
最後に、久野社長のこれから目指すところを教えてください。
これからは老人が増えるから、不動産に限らず健康のこと、インターネットのこと、お金のこと、町内の困りごとの相談相手になれればいいかなと思っています。もともと不動産屋は何でも屋だったようだし。それで何か起こった時には、地域の方と協力してインターネットを使って何かできればなあと。
個人的には、今までいろんなところで不動産の話を書いてきたので、1冊の本にまとめたいと思っています。初めて買う人のための不動産の基礎知識が書いてあるような、でも、今までのハウツウ本とは違って、読んでおもしろいものにしたいんです。そういうオファーもあるので、ぜひ実現させたいと思っています。

お店情報


株式会社 藤建企画
住所:〒182-0006
東京都調布市西つつじヶ丘3-14-5
TEL:042-489-1540 FAX:042-489-1504
お問合せ先:yoisumai@w3.dion.ne.jp
お店HP:http://www.atatakaisumai.com/

インタビューを終えて

役者で作詞家志望。久野社長のお話は、私の予想をはるかに越えたびっくりする内容でした。当時、私は小劇場に通っていた観客の一人。アルバイトしながら好きな芝居を続ける舞台役者の破天荒な生き方にあこがれていました。あれから数えたくないほど、月日は流れたんですね。
不動産業者としての久野社長は、確固たる軸がもうはっきりとしていてその年輪をうかがえます。ここに至るまで、幾多の失敗や試行錯誤があったのでしょうが、今ではそれさえも感じられません。「隠すことは何もないから、何でも書いて」その台詞に大きな自信が見えます。
久野社長が「1時間も話せばみんなできるようになる」TwitterやFacebook、手をこまねいている場合ではないようです。個人の趣味嗜好とは関係なく時代は進みます。新たな時代に向けて、藤建企画様の手法はひとつのロールモデルになりうるのではないだろうか、そんな感想を持ちました。
書き手としてもご堪能な久野社長、著作物を拝読する日が待ち遠しいです。

(取材・執筆  株式会社 物語ライティング)